前にも書きましたが、今の消費者は多面的に商品を見て
購買の意思決定をします。
ユニクロのヒートテックは機能性・デザイン性が優れており、
付加価値が高いだけでなく、価格も安いので、
見事に今の消費者の心理を捉えています。
そして、ターゲットを広げ、購買する年代も幅広い。
以上のことを考えると、ユニクロのヒートテックが
ヒットしたのは、ただの偶然ではなく必然だったのだと思います。
現在、戦後最大の不況だとか100年に一度の大不況などと言われていますが、
消費者の心理を確実に捉えれば、売上を伸ばすことも充分可能なのです。
これから、【高級】というイメージでブランドを
確立してきた企業は、ますます大変な時代になることでしょう。
消費者のニーズが変わり、高級志向の消費者が減り、
逆に値段以上の価値を持つ商品を選ぶ消費者が増えているからです。
実際、高級というイメージの百貨店の売上は下がってきています。
高級というイメージのブランドができれば、
価格競争に巻き込まれず、充分な粗利も確保できるでしょうが、
今はそういう時代ではありません。
高級というイメージのブランドは、別ブランドを立ち上げ
価格以上の付加価値を持つ商品を好む消費者を取り込む努力をするか、
同じ値段でも、より高い付加価値がある商品を開発するか、
既存の商品の付加価値を高めるようなプロモーションを
しなくてはいけなくなるでしょう。
ただ誤解してほしくないのですが、
安いというだけでも消費者は商品を買いません。
「安かろう悪かろう」では、今の消費者は満足しないのです。
あくまでも、【消費者が感じるその商品の価値に対して安い】か
どうかが問題なのです。
最近は企業のコンプライアンス・CSRなどとよく言われていますが、
結局消費者は『誠実』な企業を支持します。
ユニクロのヒートテックも1,000円ではなく、
商品の付加価値を考えれば、5,000円で販売してもよかったでしょう。
ブランドの一貫性を保つ理由だったのかもしれませんが、
しかしユニクロは、あえて低価格で販売しました。
そこにユニクロの顧客への誠実さがうかがえます。
そして、その誠実さを消費者が支持したのでしょう。
今後ますます「自分ばかり儲けよう」という考えの企業は
自然と淘汰されていきます。
顧客のことより、自分のことばかり考えるからです。
顧客から末永く支持されるためには、
顧客に欲求を満たさせなければいけません。
「自分ばかり儲けよう」では顧客の欲求を満たせないだけでなく、
顧客の信頼や期待まで裏切ってしまいます。
一度でも顧客の信頼や期待を裏切ってしまうと、
騙したわけではなくても、顧客にとっては
詐欺を遭ったのと同じなのです。
だからといって、単純に薄利にして販売しろということではありません。
あくまでも【商品の値段以上の価値】です。
値段以上の価値のある商品を作る方法は次の3つです。
①コスト削減
利益を削るのではなく、コストを削ることで
商品の価格を抑えることはできます。
どこの企業でもやっていることだとは思いますが、
他社以上にコスト削減ができれば、競争力は強くなります。
ただし、コスト削減のために給与カットなどの
人件費削減はかなりの注意が必要です。
(このことについては、機会があれば書きます。)
②安いコストで高い付加価値
商品のコストをかけるだけが商品の価値を上げることではありません。
コストをかけなくても、顧客が感じる価値を上げることは可能です。
例えば、ユニクロのヒートテックだとデザイン性の高さです。
開発コストは増えるかもしれませんが、
製造コストはほとんど上昇しないので、
コスト以上の付加価値を提供できます。
③代替商品の開発
既存の商品と同じような製品ではなく、
それに代わるような代替商品の開発です。
例えば、この前のニュースでやっていた「オレオレ詐欺対策の機械」です。
銀行のATMで携帯電話を使うと電波を感知して
注意メッセージを流すという装置なのですが、
一台10万円ほどするそうです。
その装置と全く同じ機能を持った機械を大学生が
一台数千円のコストで開発したというニュースでした。
この大学生が開発した機械ならば、一台一万円以下で
販売できるので、この大学生が開発した機械は顧客にとっては
値段以上の価値になります。
ですから、頭の使い方によっては、中小企業でも
充分な競争力を持つことができるのです。
今の時代は顧客に本当に良い商品を提供できる企業や
顧客のことを考えられる企業は、どんどん成功していきます。
そう考えると、不況だと言われている今の時代でも、
充分に成長できるのではないでしょうか?
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